姿勢センサー、駆動機構


 ここでは、FITEの姿勢制御に使われるセンサーや駆動機構を説明します。
ここに表示されている画像は実際にテストゴンドラに取り付けられている装置の写真です。

ジャイロ

ゴンドラの3軸姿勢センサーとしてジャイロを使用します。これまで本研究室の気球観測では光ファイバージャイロを用いてきました。 しかしながら、光ファイバージャイロでは分解能やドリフトの点において、高分解能を目指すFITE の要求を満たすことはできません。 このため新たにリングレーザージャイロを採用しました。 しかし、このジャイロでも 量子化誤差と原理的問題を回避するためにディザーを発生させていることの影響から、測定の精度は10秒角程度になっています。  空間分解能1秒角という目標を満たすためには、ジャイロの測定精度も1秒角以下が必要となります。
ジャイロのデータの移動平均を取ることで精度をあげることが実験によってたしかめられ、 サンプル数100の移動平均を取った場合十分に1秒角を切る精度が得られることが分かっています。 しかし、サンプル100の移動平均をとると変化に対する応答速度が遅くなってしまうことが考えられます。 このため、別の方法によって測定精度を上げなければなりません。
 候補としてはカルマンフィルターという観測量からある時刻の状態を推定する算法があり、導入に向けて取り組んでいます。


リアクションホイール

 ゴンドラのメインの駆動装置としてリアクションホイールとそれを回転させるモーターを使用します。
リアクションホイールは円盤状の形状で、一定の慣性モーメントを有します。 このリアクションホイールをゴンドラ内で回転させることにより、角速度に比例した回転モーメンタムを発生させます。 ゴンドラに外力が全く働かないとしたときその角運動量は保存されるため、 リアクションホイールにより発生した角運動量を打ち消す向きにゴンドラの角運動量が発生し、ゴンドラが制御されます。
 この原理を利用した制御装置は人工衛星にも搭載されています。



よじれ戻しモーター

 リアクションホイールだけでゴンドラを制御することは不可能です。 例えばZ軸の場合、ゴンドラが回転すると吊り紐をよじることになり、 そのよじれ角に比例したトルクがゴンドラにかかるからです。
よってこのトルクをリアクションホイールによって打ち消す必要が出てきますが、トルクと角加速度の間には比例の関係があり、 あるトルクをリアクションホイールから出力し続けた場合にはリアクションホイールの回転数は上昇し続ける事になります。 一方、モーターはある回転数の範囲でしか正常に動作することができません。
そのため、外力をかけてリアクションホイールから角運動量を取り除くための機構「アンローダー」が必要になります。 Z軸については、アンローダーとしてよじれ戻しモーターを使用します。 よじれ戻しモーターはゴンドラを吊り上げるフック状の部分を回転させるモーターです。 ゴンドラの吊り点をモーターの軸に取り付け、このモーターを回して吊り紐のよじれを制御することによって、Z軸周りのトルクを発生させることができます。



錘移動ステージ

 Z軸についてはアンローダーとしてよじれ戻しモーターを用いましたが、X、Y軸については外力として重力を利用した 「錘移動ステージ」をアンローダーとして採用します。 これは一定のストロークの範囲内である重量の錘を動かすことができるステージです。 これを、X,Y軸の方向に動かすと、重力の作用によりゴンドラにX,Y軸方向のトルクを加えることができます。



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