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Project


 本グループでは、惑星形成の理解に重要となる系外惑星を多数発見するための近赤外重力マイクロレンズサーベイ観測を世界最大級の規模で行う、 PRIME(Prime-focus Infrared Microlensing Experience)計画を進めています。これは、NASAの将来計画Roman宇宙望遠鏡のチームが所有する最先端の大型近赤外線検出器を借りることで初めて実現可能となりました。 望遠鏡には重力マイクロレンズ探査に特化した口径1.8mのPRIME望遠鏡を南アフリカ共和国のサザーランド観測所(SAAO)に新しく建設して使用します。
 近赤外線で観測するメリットは、従来の可視光観測ではダストによる減光のため難しい銀河系中心部の低緯度領域が観測可能になることです。 PRIME望遠鏡を用いて星密度の高いこの領域で重力マイクロレンズ探査を行うことによって、系外惑星の検出数が飛躍的に増え、 地球質量惑星を含む系外惑星と浮遊惑星をそれぞれ数十個検出することが期待されます。さらにこのデータを用いて、地球質量惑星を含む惑星形成や進化の過程を解明します。
 また、銀河系中心付近の星が非常に密集した領域での惑星頻度も世界で初めて見積もり、環境による惑星頻度の違いを検証します。
このデータは、我々のサイエンスゴールを達成すると同時に、NASAのRoman宇宙望遠鏡による重力マイクロレンズ系外惑星探査の観測領域をあらかじめ最適化するという重要な役割を担っています。  重力マイクロレンズ系外惑星探査以外にも、オフバルジシーズン(銀河中心が見えない期間)はM型星を対象としてトランジット系外惑星の探査や、 高赤方偏移のガンマ線バースト天体及び重力波天体の探査を行います。
またPRIME望遠鏡にはAstro Biology Centerが開発中の近赤外線分光器(SAND: South Africa Near-infrared Doppler)が搭載されます。 将来的にこの装置を使って、M型星や若い星周りの系外惑星を対象にした視線速度系外惑星探査も行う予定です。




Schedule


2016 詳細な設計、製造
2017-2020 製造
2020-2022 建設、 設置、 ファーストライト
2023 観測開始
˜
2023 バルジのイベントレートマップを作成
~2025 Roman打ち上げ、
同時観測開始
2030 Romanの終了まで継続